脈が飛ぶ・脈が抜けるのは不整脈?

不整脈で脈が飛ぶ

「脈を測っていたら一拍抜ける感じがする」「突然、胸がドクンとする」「心臓が一瞬止まったように感じる」。このような症状があると、心臓に異常があるのではないかと不安になる方も多いのではないでしょうか。

こうした「脈が飛ぶ」「脈が抜ける」といった感覚は、不整脈によって起こっている可能性があります。なかでも比較的よくみられるのが「期外収縮」と呼ばれる不整脈です。

ただし、不整脈があるからといって、すべてが危険な状態というわけではありません。健康な方でも一時的な期外収縮がみられることがあり、睡眠不足や疲労、ストレス、飲酒などをきっかけに脈の乱れを感じることもあります。

一方で、脈が不規則になる心房細動など、治療が必要な不整脈が隠れている場合もあります。また、動悸だけでなく胸の痛みや息切れ、めまい、失神などを伴っている場合には、早めに原因を確認することが大切です。

「脈が飛ぶ=危険」とは限りませんが、自己判断だけで見分けることもできません。
どのような不整脈なのかを確認するには、実際の心臓の電気信号を心電図などで記録することが重要です。

特に「最近になって脈の違和感が増えてきた」「毎日のように繰り返す」「脈の乱れと一緒にほかの症状も出る」という場合には、一度循環器内科で相談することをおすすめします。

この記事では、脈が飛ぶ・脈が抜ける原因や期外収縮との関係、注意したい不整脈、循環器内科で行われる検査、受診の目安について、循環器内科の視点から分かりやすく解説します。

そもそも不整脈とは?正常な脈との違い

心臓は、心臓内部でつくられる電気信号によって規則正しく収縮と拡張を繰り返し、全身へ血液を送り出しています。この電気信号の発生や伝わり方に異常が生じ、心臓の拍動が通常とは異なる状態になることを「不整脈」と呼びます。

不整脈というと「脈がバラバラになる状態」をイメージするかもしれませんが、実際にはいくつかのタイプがあります。

・脈が予定より早く出る
期外収縮などでみられ、「脈が飛ぶ」「ドクンとする」と感じることがあります。

・脈が速くなる
頻脈性不整脈では、突然心拍数が増え、強い動悸や息苦しさを感じることがあります。

・脈が遅くなる
徐脈性不整脈では心拍数が少なくなり、めまいやふらつき、失神などにつながることがあります。

・脈が不規則になる
心房細動などでは、脈の間隔が不規則になります。自覚症状がほとんどなく、健康診断や診察時の心電図で偶然見つかる場合もあります。

また、運動や緊張によって脈が速くなるなど、身体の正常な反応として心拍数が変化することもあります。そのため、単純に「脈が速い・遅い」という数値だけではなく、脈のリズムや症状、どのような状況で起こったかまで含めて判断することが重要です。

「脈が飛ぶ・抜ける」で多い期外収縮とは

「脈が一拍抜ける」「心臓がドクンとする」という症状の原因として、比較的よくみられる不整脈が期外収縮です。

期外収縮とは、本来の心拍のタイミングよりも早いタイミングで心臓が収縮する不整脈です。予定より早く心臓が拍動すると、その直後に次の拍動まで少し間が空くことがあります。この「間」を、本人が「脈が抜けた」「一瞬心臓が止まった」と感じることがあります。

また、間が空いた後の拍動では心臓に通常より多く血液がたまっているため、次の一拍を「ドクン」と強く感じることもあります。

期外収縮は心臓病がない方にもみられることがあり、必ずしも治療が必要とは限りません。日常生活では、次のようなことをきっかけに増える場合があります。

・睡眠不足や疲労が続いている
・精神的なストレスが強い
・コーヒーやエナジードリンクなどカフェインを多く摂る
・飲酒量が多い
・喫煙習慣がある

一方で、期外収縮の頻度が多い場合や、もともと心臓病がある場合などでは、詳しい評価が必要になることがあります。「期外収縮だから問題ない」と自分で判断するのではなく、実際にどのような不整脈が起こっているのかを確認することが大切です。

特に難しいのが、診察室で心電図を記録している数十秒間には不整脈が出ないケースです。「自宅では毎日ドクンとするのに病院では正常」ということも珍しくありません。このような場合には、長時間心電図を記録するホルター心電図などによって、日常生活中の脈を確認することがあります。

脈の違和感がある場合は、「何回くらい起こったか」だけでなく、安静時なのか運動時なのか、動悸や息切れなどを伴うのかといった情報も、原因を判断する重要な手がかりになります。

脈の乱れで注意したい不整脈

健康診断と心電図異常

不整脈の中には経過観察で問題ないものがある一方、治療や詳しい検査が必要なものもあります。症状だけで種類を判断することは難しいため、心電図などによって実際の心拍を確認することが重要です。

心房細動

心房が細かく震えることで脈が不規則になる不整脈です。動悸や息切れを感じる方もいれば、ほとんど症状がない方もいます。心房内に血栓ができ、それが脳の血管へ流れることで脳梗塞を引き起こす原因になることがあるため、適切な評価と治療が重要です。

頻脈性不整脈

心拍が異常に速くなる不整脈です。突然激しい動悸が始まり、息苦しさや胸の違和感、めまいなどを伴うことがあります。不整脈の種類によって治療方法や緊急性は異なります。

徐脈性不整脈

心臓の電気信号がうまくつくられなかったり伝わらなかったりすることで、心拍が必要以上に遅くなる状態です。脳への血流が不足すると、疲れやすさ、めまい、ふらつき、失神などが起こることがあります。

不整脈の種類によっては、自覚症状の強さと病気の重症度が一致しない場合もあります。症状が軽くても治療が必要なことがある一方、強い「ドクン」という感覚があっても、検査の結果、経過観察となる場合もあります。

そのため、「症状が強いか弱いか」だけで判断するのではなく、どの種類の不整脈が、どの程度起こっているのかを確認することが大切です。

脈が飛ぶとき、一緒に確認したい症状

脈が飛ぶ・抜ける感覚がある場合には、脈の違和感だけでなく、同時にどのような症状が現れているかも重要です。

✓ 動悸
心臓がドキドキする、突然脈が速くなるなどの症状がないか確認します。

✓ 息切れ・呼吸の苦しさ
不整脈によって心臓が十分に血液を送り出せない場合、息切れが現れることがあります。

✓ 胸の痛み・圧迫感
胸が締め付けられる、押されるような感覚などを伴う場合には、心臓の別の病気も含めて評価が必要です。

✓ めまい・ふらつき
不整脈によって一時的に脳への血流が不足すると、めまいやふらつきが起こることがあります。

✓ 失神・意識が遠のく
不整脈の中には心臓から十分な血液を送り出せなくなるものがあります。失神を伴う場合には特に注意が必要です。

また、「最近急に増えた」「運動すると起こる」「以前より長く続く」といった症状の変化も大切です。

受診するときには、症状が起こった時間や状況、どのくらい続いたか、一緒に現れた症状などを伝えると、不整脈の原因を考える手がかりになります。

循環器内科では不整脈をどう調べる?

循環器内科に相談

脈が飛ぶ・抜ける症状がある場合、循環器内科では症状の出方や頻度、持病などを確認し、必要な検査を組み合わせて不整脈の有無や種類を調べます。

主に行われる検査には、次のようなものがあります。

■ 安静時心電図
胸や手足に電極を装着し、心臓の電気信号を記録します。不整脈の種類や心臓への負担を示す変化などを確認する基本的な検査です。

■ ホルター心電図
小型の装置を装着して長時間にわたり心電図を記録します。「症状が出たり出なかったりする」「診察時の心電図では異常がなかった」という場合に、日常生活中の不整脈を捉えるために役立ちます。

■ 心エコー検査
超音波を使って心臓の大きさや動き、弁の状態などを確認します。不整脈そのものだけでなく、背景に心臓の構造的な病気がないかを評価します。

■ 血液検査
電解質や甲状腺機能など、不整脈の原因となる異常がないかを確認することがあります。また、必要に応じて腎機能や生活習慣病に関する数値なども評価します。

不整脈は「症状が出ている瞬間」を記録できるかが重要です。
診察室で心電図が正常でも、不整脈がないとは言い切れません。症状の頻度などに応じて、長時間の心電図記録を検討します。

検査によって不整脈の種類や頻度を確認し、治療が必要なのか、経過観察でよいのかを判断します。必要に応じて、より専門的な検査や治療が可能な医療機関へ紹介することもあります。

どんな場合に受診すべき?緊急受診が必要な症状にも注意

脈が一度飛んだように感じたからといって、必ずしも重大な心臓病があるとは限りません。しかし、症状を繰り返す場合や以前より頻度が増えている場合には、一度循環器内科で原因を確認することをおすすめします。

特に、「毎日のように脈が飛ぶ」「動悸が長く続く」「脈が不規則な状態が続いている」「最近になって急に症状が増えた」といった場合は、心電図などによる評価を受けましょう。

また、高血圧や糖尿病、心臓病などを指摘されている方や、健康診断で心電図異常を指摘されたことがある方も、脈の違和感が続く場合には相談することが大切です。

次のような症状を伴う場合は、速やかな対応が必要です

・脈の異常とともに強い胸痛や圧迫感がある
・強い息苦しさがある
・失神した、または意識が遠のいた
・冷や汗を伴う強い胸部症状がある
・突然、強い動悸が始まり体調が著しく悪い

このような症状がある場合には、重い不整脈や心筋梗塞など緊急性の高い心疾患が隠れている可能性があります。症状が強い場合は自宅で様子を見続けず、119番通報を含めた緊急受診を検討してください。

不整脈は症状だけで危険性を判断することが難しい病気です。「脈が飛ぶくらいなら大丈夫」と決めつけず、繰り返す場合や気になる変化がある場合には、心電図で実際の脈を確認することが大切です。

まとめ

「脈が飛ぶ」「脈が抜ける」「突然ドクンとする」といった症状は、期外収縮などの不整脈によって起こることがあります。期外収縮は健康な方にもみられることがあり、必ずしも治療が必要とは限りません。

一方で、心房細動をはじめ治療が必要な不整脈が隠れていることもあるため、症状だけで自己判断することは難しいものです。

特に次のような場合には、一度循環器内科へ相談しましょう。

・脈が飛ぶ・抜ける症状を繰り返している
・以前より症状の頻度が増えている
・長く続く動悸がある
・息切れやめまい、胸の違和感を伴う
・健康診断で心電図異常を指摘されている

不整脈は診察を受けたタイミングでは現れないこともあります。そのため、安静時心電図だけでなく、必要に応じてホルター心電図などを用いて日常生活中の心拍を確認することが重要です。

名古屋市天白区の平針団地診療所では、脈の乱れや動悸などの症状をはじめ、不整脈や高血圧など循環器疾患の診療を行っています。「脈が飛ぶ感じが続いている」「この動悸を一度調べてほしい」など、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。

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