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若年性高血圧とは?
高血圧は中高年の病気と思われがちですが、40歳未満でも発症する「若年性高血圧」があります。日本人の高血圧患者のおよそ1割は若年層で、決して珍しい病気ではありません。若い時期から血圧が高いと、長期にわたり血管に負担がかかり、動脈硬化の進行が早まります。その結果、40〜50代で心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクが高くなります。「若いから大丈夫」と油断せず、早い段階から生活習慣の見直しや医療機関への相談が大切です。
若い世代でも高血圧になる理由
遺伝的要因
家族に高血圧や心疾患があると、体質的に血圧が上がりやすいことがあります。特に「家族性高血圧」や「腎性高血圧」などは若年期から発症しやすく、放置すると将来の合併症リスクが上昇します。
生活習慣の影響
塩分の多い外食や加工食品中心の食事、運動不足、睡眠不足・ストレス、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣は、若い世代でも血圧を押し上げます。とくに「夜型生活+デスクワーク」は要注意です。
二次性高血圧
腎臓病やホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群など、特定の病気が原因で高血圧になることがあります。若年で突然高血圧が見つかった場合や、数値が非常に高い場合は、二次性高血圧の精査が重要です。

症状とリスク
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれる通り、自覚症状がほとんどありません。健診や家庭血圧の測定で偶然見つかることが多い一方、放置すると以下のリスクが高まります。
- 動脈硬化の早期進行(血管年齢の老化)
- 心筋梗塞・狭心症・心不全などの心疾患
- 脳梗塞・脳出血などの脳血管障害
- 腎機能低下(慢性腎臓病)
若年のうちから高血圧が続くと、中年期以降の心血管イベント発症リスクが2〜3倍に上がると報告されています。症状がなくても、「今の行動」が将来の健康寿命を左右します。
診断と検査方法(若年性ならではのポイント)
診断の基本は中高年と同じですが、若年性では次のポイントが重視されます。
- 家庭血圧の測定:白衣高血圧(病院で高い)や仮面高血圧(家でのみ高い)を見逃さないため、朝・夜の安静時測定を重視します。最近は家庭用血圧計やスマホアプリの活用も一般的です。
- 二次性高血圧の精査:血液・尿検査、ホルモン検査、腎エコー、心電図・心エコー、睡眠時無呼吸の検査などを、症状や所見に応じて組み合わせます。
- 生活リズムの確認:夜勤・徹夜・慢性睡眠不足・強いストレスなど、若年層に多い要因を丁寧に評価し、行動変容に結びつけます。
日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2025(JSH2025)でも、家庭血圧の活用と若年者の長期リスク管理の重要性が示されています。

若年性高血圧の治療と生活習慣改善
食事
減塩(1日6g未満)を基本に、野菜・果物・魚・大豆製品を増やし、加工食品・インスタント食品・スナック菓子は控えめに。外食時は「汁物を残す」「丼より定食」「味付けは薄め」を習慣化しましょう。
運動
有酸素運動を週150分(1日30分×5日など)を目安に継続。通勤で一駅歩く、階段を使う、1時間に1回は立ち上がるなど「座りすぎ対策」も有効です。軽い筋トレを組み合わせると代謝が上がり、血圧コントロールに役立ちます。
禁煙・節酒・睡眠
禁煙は最大の予防策。飲酒はビール中瓶1本/日本酒1合程度までが目安です。夜更かしや睡眠不足は血圧を上げるため、就寝・起床時刻を一定にするなど睡眠リズムを整えましょう。
薬物療法
生活習慣の改善で不十分な場合は、医師の判断で少量から薬を開始します(ARB/ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬、利尿薬など)。自己判断での中断は危険です。就業・学業に支障が出ないよう、個別に調整しながら治療を進めます。
若年性心筋梗塞にも注意
40代以下でも心筋梗塞の発症は報告され、背景には喫煙、過労、強いストレス、不規則な生活、家族性高コレステロール血症などの要因があります。「若いから関係ない」と考えず、胸の違和感や息切れがあれば早めに受診しましょう。
若年性高血圧と合併症リスク
長期にわたる高血圧は、心・脳・腎のいずれにもダメージを蓄積します。働き盛りで突然の病気に見舞われれば、生活やキャリアにも大きな影響を与えます。若年での血圧管理は、将来の健康寿命を守る最も費用対効果の高い投資と言えます。

最新の話題:若年性高血圧研究
- 血管年齢(vascular age)の評価:動脈の硬さを測定し、実年齢との差を把握する取り組みが進んでいます。
- 遺伝子解析:家族性高血圧やホルモン異常の診断補助としての応用が検討されています。
- デジタルヘルス:家庭血圧計とスマホアプリの連携で、若年層でも継続しやすい自己管理が普及しています。
まとめ
・若年性高血圧は40歳未満でも発症する身近な病気
・自覚症状が乏しく、放置で動脈硬化が早期進行
・家庭血圧と二次性高血圧の精査が重要(JSH2025でも強調)
・減塩・運動・禁煙・睡眠改善で予防は可能、必要に応じて薬物療法を併用
・若いうちからの血圧管理が、将来の心筋梗塞・脳卒中リスクを減らす鍵
名古屋市天白区の平針団地診療所(内科・循環器内科)では、若年層を含む高血圧・生活習慣病の診療に対応しています。健診で「血圧が高め」と言われた方、家庭血圧が気になる方は、お気軽にご相談ください。
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