高血圧症の予防と治療について詳しく解説
こんにちは。名古屋市天白区にある【平針団地診療所】のブログをご覧いただきありがとうございます。
本記事では、当院でもご相談が多い「高血圧症」について、予防から治療までわかりやすく解説します。特に食事や運動といった生活習慣の改善、薬物療法まで幅広く取り上げます。
高血圧症は放っておくと動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患のリスクを高めます。早めの対策が大切です。
高血圧症とは? 〜なぜ治療が必要なのか〜
ここは前回と重複してしまいますが、治療の必要性をご理解していただく事が非常に重要なので、再度説明させて下さい。
高血圧の定義と基準
高血症は、安静時の血圧が持続的に高い状態のことを指します。日本高血圧学会のガイドラインによると、診察室血圧で
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収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上
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拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上
が続く場合、「高血圧」と診断されます。
高血圧のリスク
高血圧は自覚症状がないことが多いですが、
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脳卒中(脳出血・脳梗塞)
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心不全や心筋梗塞
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腎不全(慢性腎臓病)
などの重篤な合併症の引き金となります。
なので、重篤な病気にかからないためにも、高血圧症を治療する必要があります。
高血圧の予防方法
高血圧症は、日常生活の見直しで予防可能な病気です。当院では、生活習慣の指導を中心とした予防的アプローチを重視しています。
1. 減塩を意識した食生活
高血圧の予防には「減塩」が最も効果的です。日本人の食塩摂取量は世界的に見ても多く、厚生労働省の推奨は1日6g未満です。
▼ 実践例(減塩のポイント)
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味噌汁は1日1杯までに
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漬物や梅干しは控えめに
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加工食品(ハム・ソーセージ)を避ける
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出汁や香辛料を活かし、塩分控えめでも美味しく
2. カリウムを摂取しよう
カリウムには余分なナトリウム(塩分)を排出する作用があります。
▼ カリウムが多い食品
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ほうれん草、ブロッコリー
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バナナ、キウイ、アボカド
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里芋、じゃがいも
※腎臓病のある方は摂取に注意が必要です。
3. 体重管理とバランスの取れた食事
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BMIを25未満に保つのが理想
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野菜は1日350g以上
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脂質や糖質を控えめにし、和食中心を意識
高血圧症の治療について
高血圧症と診断された場合、生活習慣の改善だけでなく、必要に応じて薬物療法を行います。当院では、患者さん一人ひとりの状態に応じた最適な治療を提供しています。
【食事療法】日常に取り入れやすい具体例
DASH食が効果的
DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食は、米国で高血圧予防のために開発された食事法です。塩分を控え、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルや食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取するのが特徴です
▼ DASH食のポイント
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野菜・果物・低脂肪乳製品を多く含む
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飽和脂肪酸・コレステロールを控える
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食塩摂取量は6g以下
1日のモデルメニュー(例)
食事 | 内容 |
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朝食 | ご飯、焼き鮭、ひじき煮、味噌汁(減塩)、バナナ |
昼食 | そば(つゆ少なめ)、ほうれん草のお浸し、冷奴 |
夕食 | 鶏むね肉のソテー(レモン風味)、玄米ご飯、野菜たっぷりスープ |
間食 | 無塩ナッツ、ヨーグルト |
【運動療法】高血圧改善に効果的な運動とは?
運動は血管の柔軟性を高め、血圧を自然に下げる作用があります。
有酸素運動を中心に
▼ おすすめ運動
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ウォーキング(1日30分〜60分、週5日)
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軽いジョギングやサイクリング
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水中ウォーキング(関節への負担が少ない)
注意点
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激しい運動(筋トレや短距離走)は逆効果になる場合も
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医師の指導のもと無理のない範囲で
【薬物療法】高血圧をコントロールするための選択肢
食事や運動でも血圧が下がらない場合は、薬による治療が必要です。
当院では、主に以下の薬剤から個々の患者さんに最も適したものを選択しています。
主な降圧薬の種類
種類 | 主な効果・特徴 |
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カルシウム拮抗薬 | 血管を拡げて血圧を下げる。副作用が少なく高齢者にも使いやすい。 |
ACE阻害薬/ARB | 血圧の上昇ホルモンを抑える。心臓や腎臓の保護にも効果的。 |
利尿薬 | 体内の余分な水分や塩分を排出する。 |
β遮断薬 | 心拍数を抑えて血圧を下げる。心疾患のある方に適応。 |
内服のポイント
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自己判断で中断しない
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血圧手帳やアプリで記録をつける
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定期的な受診で調整を
症状に不安がある方は【循環器内科】へ
高血圧症には自覚症状がないことが多く、気づかないうちに病状が進行してしまうケースも少なくありません。
「頭痛が続く」「動悸がする」「めまいやふらつきがある」などの症状がある方は、早めに【循環器内科】を受診しましょう。
まとめ|早期発見と継続治療で健康な未来を
高血圧症は「沈黙の病」とも呼ばれますが、早期発見と適切な治療で十分にコントロール可能な病気です。
天白区で循環器内科をお探しの方は、ぜひ【平針団地診療所】にご相談ください。当院では、生活習慣指導から薬物療法まで、一人ひとりに合った丁寧な治療を心がけています。