心筋梗塞の症状と治療、予防のポイント|放置するとどうなる?

心筋梗塞について

心筋梗塞とは?

心筋梗塞とは、心臓に血液を送る冠動脈が突然詰まり、心筋(心臓の筋肉)が壊死してしまう病気です。血流が途絶えると数分〜数時間で心筋が傷つき、生命に危険を及ぼすため、一刻を争う救急疾患とされています。

発症の背景には「動脈硬化」があります。動脈硬化により冠動脈の内壁にプラーク(コレステロールのかたまり)が形成され、それが破裂して血栓ができると血管が急に塞がり心筋梗塞が起こります。

狭心症と異なり、心筋梗塞は安静時にも起こりやすく、痛みが長く続くのが特徴です。早期治療が生死を分けるため、症状の理解と迅速な受診が欠かせません。

主な原因と危険因子

心筋梗塞の発症には、いくつもの生活習慣病や生活習慣そのものが関与しています。特に以下の因子は「冠危険因子」と呼ばれ、組み合わせが多いほどリスクが高まります。

高血圧
血圧が高い状態が続くと動脈の壁に負担がかかり、動脈硬化が進行します。日本は高血圧人口が約4300万人とされ、心筋梗塞の最大リスク因子の一つです。

脂質異常症
LDLコレステロール(悪玉)の増加やHDLコレステロール(善玉)の低下はプラーク形成を促進します。特に、small dense LDL(小粒子LDL)と呼ばれる形は、血管壁への透過性が高く酸化されやすいため、プラーク形成に関与しやすいとされています。

糖尿病
糖尿病は血管を傷つけ、動脈硬化を進めます。糖尿病患者は心筋梗塞の発症リスクが健常者の約2〜4倍に上ると報告されています。

喫煙
タバコに含まれる一酸化炭素やニコチンは血管を傷つけ、血栓を作りやすくします。喫煙者は非喫煙者に比べて心筋梗塞のリスクが2〜3倍高いとされます。

肥満・メタボリックシンドローム
特に内臓脂肪型肥満は高血圧・糖尿病・脂質異常を同時に引き起こし、心筋梗塞リスクを大きく上げます。

その他の要因
ストレス、過度の飲酒、睡眠不足、加齢、家族歴(遺伝的背景)もリスク因子です。特に親や兄弟に心筋梗塞の既往がある場合は要注意です。

心筋梗塞の原因

症状とチェックポイント

典型的な症状は「胸の強い痛み」ですが、それ以外にも多様な症状があります。特に高齢者や女性、糖尿病患者では典型症状が出にくいことがあり、注意が必要です。

・胸の圧迫感・締めつけ感(20分以上続く)

・左肩・首・背中・顎への放散痛

・冷や汗・吐き気・呼吸困難

・強い不安感、動悸

「いつもと違う胸の違和感」が続くときは迷わず救急要請(119)が重要です。

診断と検査方法

心筋梗塞は迅速診断が重要です。救急外来では次のような検査が行われます。

  • 心電図(ECG):ST上昇型か否かを判断し、緊急PCIの適応を決定。
  • 血液検査(トロポニン):心筋が壊れた際に上昇する酵素を確認。
  • 心エコー:心筋の動きや収縮不全をチェック。
  • 冠動脈造影:カテーテルで冠動脈を造影し、詰まりの場所を特定。

コレステロールと原因

治療(緊急対応・薬物・リハビリまで)

心筋梗塞の治療は時間との勝負です。発症から90分以内に血流を再開できるかが予後を左右します。

・緊急対応:PCI(経皮的冠動脈形成術)

カテーテルを使って詰まった血管を広げ、ステントを留置する方法です。現在の標準治療であり、再狭窄防止のため薬剤溶出ステント(DES)が広く用いられています。

・薬物療法

  • 抗血小板薬(アスピリン・クロピドグレル):血栓を予防
  • β遮断薬:心臓の負担を減らし、不整脈も予防
  • ACE阻害薬/ARB:血管を広げ、心臓のリモデリングを防止
  • スタチン:LDLコレステロールを低下させ、再発予防に必須

 

・リハビリ・二次予防

退院後は心臓リハビリテーションが推奨されます。運動療法・食事指導・禁煙支援を通じて再発を防ぎ、生活の質を向上させます。退院後も薬の継続と生活習慣改善が欠かせません。

循環器疾患の予防

予防と生活習慣改善(若年性心筋梗塞を含む)

心筋梗塞は「生活習慣病の最終段階」とも言えます。予防には日常生活の工夫が欠かせません。

食事
塩分は1日6g未満を目標にしましょう。加工食品やインスタント食品には塩分が多く含まれるため注意が必要です。野菜・果物・海藻・きのこ・大豆製品を積極的にとり、魚(特に青魚)に含まれるEPA・DHAも有効です。肉類や揚げ物、バターに含まれる飽和脂肪酸、スナック菓子や加工食品に含まれるトランス脂肪酸はできるだけ控えることが望ましいです。

運動
有酸素運動を1日30分、週150分以上を目安に継続することが推奨されます。ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳など無理のない範囲で行いましょう。運動は血圧や血糖、コレステロール値の改善に加え、ストレス解消にもつながります。デスクワークが多い方は、1時間に1度立ち上がる、階段を使うなど小さな工夫も有効です。

禁煙・節酒
禁煙は心筋梗塞の最大の予防策の一つです。喫煙による血管のダメージは大きく、禁煙後数年でリスクが大幅に減少することがわかっています。アルコールは「ビール中瓶1本、日本酒1合程度」が目安で、過剰摂取は高血圧や肥満を招きます。節度ある飲酒を心がけましょう。

体重管理・ストレス対策
肥満(特に内臓脂肪型肥満)は心筋梗塞のリスクを高めます。BMI25未満、ウエスト周囲径を男性85cm未満・女性90cm未満に保つことが目標です。また、十分な睡眠をとり、趣味やリラックス法を取り入れることでストレスを軽減し、心臓への負担を減らしましょう。

<若年性心筋梗塞について>

最近は40代以下の若い世代でも心筋梗塞の発症が報告されています。喫煙や過労、強いストレス、不規則な生活習慣に加え、家族性高コレステロール血症など遺伝的要因が関与しているケースもあります。
若いからと安心せず、健康診断で血圧・血糖・脂質を定期的に確認し、生活習慣を整えることが重要です。特に胸の違和感や息切れを感じた場合は「自分は若いから大丈夫」と思わず、早めに医師に相談することが大切です。

循環器疾患における生活習慣改善

まとめ・相談先

心筋梗塞は突然発症し、命に直結する疾患です。正しい知識を持ち、危険因子を減らすことが最大の予防策となります。

名古屋市天白区の平針団地診療所では、内科・循環器内科として高血圧・脂質異常症・糖尿病など生活習慣病の管理から心不全・心筋梗塞リスクへの対応まで幅広くサポートしています。健診で異常を指摘された方や胸の違和感が気になる方は、お早めにご相談ください。

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